2015.12.13

クリスマスといえば思い出すお気に入りの絵、ノーマン・ロックウェル「一大発見」



写真は、今の大阪天保山にある「大阪文化館」がまだ「サントリーミュージアム」だった頃、「ノーマン・ロックウェル展」が開催された時に購入した図版カタログで、今も大切に持っている一冊です。1997年だから、もう18年も前です。

当時、絵画なんて全く興味もなく、その絵の意味なんてわからないし考えもしないで、美術って難しいなあ、観て何が楽しいんだ?と思っていたのですが、絵画を見る楽しさを教えてくれたのが、ノーマンロックウェルの作品でした。 絵なんて感性で見るもんだと自分には敷居が高いと偏見がはいっていたのですが、ノーマン・ロックウェルの作品は、映画をみる観たいに親しみ易く、絵ってこんなに楽しんものなんだと、何か頭の中でカチッとスイッチが入ったことを覚えています。

一番見ていて楽しかったのが、登場する人物の表情や仕草、なぜその表情や仕草になったのかがわかる舞台背景のセッティングです。日常の物語の一部を切り取った1枚の絵に、物語を伝える情報がたくさん込められていて、1枚の絵を隅から隅まで丁寧に観るなんて初めての行為でした。めちゃくちゃ楽しかったことを覚えています。

そのノーマン・ロックウェルの作品の中でもお気に入りの絵が、「The Discovery(一大発見)」。子ども時代の衝撃を描いています。少年は自分の家の洋服タンスから、凄いモノを発見してしまいます。あのサンタさんの赤い服。えっ。なんで?という驚きの表情で立ち尽くしています。サンタクロースが自分の家で、服を脱いでどこかにいる?お父さん?そんな様子がうかがえます。その後、少年がサンタはいない、お父さんが演じていたと気づくのか、お父さんてサンタだったんだと思ったのかは観ている人に委ねています。



なぜこのタンスがお母さんでなく、お父さんだと情報がはいってくるかといえば、タンスの上に大きな咥えタバコ。赤い服がサンタクロースだと連想させるのには、服以外に、赤い帽子、付け髭が描かれています。さらに推測ですが、赤と緑でクリスマスを連想させやすいように床の絨毯の色をグリーンにセレクトしています。奥の部屋には、冬の季節がわかるように暖房機?的なものも見えます。

1枚の中に、無駄な要素がなくしっかり情報が込められていることに、今みても感動してしまいます。見落としている情報はないか絵をじっくりみてしまいます。

ノーマン・ロックウェルは、現代アメリカ社会の記録者として20世紀を代表するイラストレーター。「ザ・サタデー・イブイニング・ポスト」誌という雑誌の表紙絵が有名です。ノーマン・ロックウェルは、細部に至るまで注意を払い、忠実に対象物を描いたようです。作品制作の計画段階からモデルや小道具、衣装、セットを入念にセレクトしており、映画監督と比較されるくらいだったとのこと。

他にも好きな絵があります。「The Marriage License(結婚許可証)」という作品です。この絵は、町役場の事務員さんが就業時間がちかづき、国旗もしまって、靴も履き替えて、帰る気満々。さらに何百回もみている婚約の手続きだから何の感動もない表情。でも手続きをしている二人は優しい表情で、幸せいっぱいの様子が伝わります。カレンダーの日付は6月11日の土曜日。ドアにはこの部屋の名が刻まれいます。日本の役場ではありえない光景ですが、この絵をみて、結婚かぁと憧れ、結婚することがあったら、この絵の複製を誰かに描いてもらって、カレンダーの日付を結婚した日付にしてもらおうとか、色々妄想していたことを覚えています。



こういった日常を題材にする作品の他、政治的なものまで考えさせれる作品もありますが、ぼくは日常の一コマがとても好きです。ノーマン・ロックウェルは、「私は、こうあってほしいと思う生活を描いていたのです」と語っていたそうです。理想ばかり追い求めるのもダメですが、破壊的な想像ではなく、こうあって欲しいと願うノーマン・ロックウェルのような平和な日常の一コマのシーンを思い描いて、人と共有することって大切なんじゃないかと思いました。



camera:GR DIGITAL2 & テレコンバージョンレンズ GT-1

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posted by pen at 12:52 | Comment(0) | Recommend | 更新情報をチェックする
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